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呼吸に関連する気管、気管支、肺で起きる疾患を診ます。
診察時に何らかの呼吸器疾患(ぜんそく、肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺結核、肺がんなど)が疑われる場合、胸部X線撮影、血液検査、呼吸機能検査(肺の大きさや換気量を測定するスパイロメトリーなど)を行います。
また、いびきが大きい、昼間でも眠気に襲われるといった症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群(⇒睡眠時無呼吸症候群の頁を参照)が疑われます。診断のために、SpO2(酸素飽和度)、脈拍などを測定する簡易検査装置を眠前に装着してもらい、一晩寝てもらいます。この結果から、詳細な検査が必要と判断された場合は、さらに詳しい検査のため、検査のできる医療機関での一泊入院検査を行います。
風邪、インフルエンザ、気管支炎、ぜんそく(気管支ぜんそく)、肺炎、肺結核、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気胸、咽頭炎・扁桃炎、気管支拡張症 など
何らかの刺激により気管支に炎症が生じ、気道が腫れて狭くなり、咳、痰、息苦しさなどが現れます。さらに「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」といった呼吸の音(喘鳴)が聞こえる喘息発作が起こります。
原因としては、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質:ハウスダスト、花粉、食物など)、風邪、喫煙、運動、大気汚染、寒暖差の激しい気候などが挙げられます。
また、ぜんそくの患者の中には、アレルギー体質の人が多く、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を併発しているケースも多く見られます。
診断のためには、まず問診を行います。
その後、アレルギー体質やアレルゲンを調べる血液検査、スパイロメータを使用して気道の狭窄の程度を調べる呼吸機能検査などが行われます。
薬物療法が主となります。
ぜんそくの原因となる気道の炎症を抑えるため、吸入ステロイド薬、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、ロイコトリエン拮抗薬などが使用されます。喘息発作を抑える短時間作用型β2刺激薬(SABA)やステロイド薬の点滴、内服薬などが使用されます。
アレルゲンがぜんそくの原因である場合は、原因物質を避けるための環境整備も必要となります。
タバコの煙などの長期的な影響により、肺には慢性的な炎症が発生し、慢性気管支炎となります。この結果、気管支は徐々に狭くなります。
さらに、肺胞壁が破壊され、肺胞腔が拡大すると、肺は空洞化します。これを肺気腫と言います。この状態になると、運動時に息切れや、慢性的な咳や痰が出るなどの症状が現れます。病状が進行すると、安静時でも息切れが起こるようになります。
これらの症状が見られる場合、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断されます。
また、この状態を放置すると、肺炎や肺がんなどの病気を引き起こすリスクが高まります。
患者さまの症状がCOPDを示唆している場合、確定診断を行うための検査として、スパイロメトリーによる呼吸機能検査や胸部のX線検査などが実施されます。
もし喫煙している場合、禁煙は必須です。
また、呼吸機能がこれ以上悪化しないようにするための治療として、気管支拡張薬(β2刺激薬や抗コリン薬など)やステロイド薬の吸入が行われます。薬物療法だけでなく、呼吸器リハビリテーションなども行い、身体の活動性を可能な限り保つように努めます。