予防接種

予防接種とは、流行しやすい感染症や重篤化しやすい感染症に対して、事前に免疫を形成することで、発症を防ぐ、もしくは感染しても軽く済むようにするための措置です。
この際に用いられるのがワクチンです。
ワクチンは、病原体の病原性を弱めた生ワクチンと、病原体を無力化した不活化ワクチンがあり、これを接種することで、特定の感染症に対する免疫が形成されます。
ワクチンを接種する=感染症のリスクから身を守る、ことができます。

また、接種を受ける人々が増えることで、集団免疫が形成され、ワクチンを接種できない人々も感染から守られます。つまり、予防接種を受けることは、社会全体が感染症に罹患しないようにするための重要な手段となります。

当院では予防接種として、以下のワクチン接種を行っています。

定期接種(補助のある)ワクチン

現在、成人で定期接種のあるワクチンは、65歳時の肺炎球菌ワクチンと、1962-1979年生まれの男性の風疹ワクチン(2025年3月末まで!)になります。
現在12歳~16歳の女性は、HPVワクチンが定期接種となっています。1997‐2005年生まれの女性でまだHPVワクチン未接種の方も補助が出ますので(ただし2025年3月末まで!)忘れずに受けるようにしてください。

任意接種ワクチン

定期接種と異なり、補助がないため、全額自己負担になります。しかし、予防接種せずに万が一感染した場合は、予防接種にかかる費用より以上の費用が掛かり、ましてやつらい思いをすることになります。
当院では年齢に合わせて必要な予防接種を推奨しております。ご覧になり、接種ご希望の方はご相談ください。

インフルエンザワクチン(任意接種だが一部補助あり)

インフルエンザの発症を予防する効果があるとされています。インフルエンザの予防策としては、手洗いやマスクの着用などがありますが、特に効果的とされているのがこのワクチンの接種です。
ワクチン接種については、効果を最大限に引き出すためには、接種のタイミングが重要です。1回接種すると、その効力は約3ヵ月間持続します。日本での流行期は、12月から3月です。そのため、ワクチンの効果を最大限に得るためには、流行のピークである1月よりも前、つまり12月中旬までに接種を完了することが推奨されます。
(当院では10月下旬ごろから予約受付を開始予定です。時期になりましたら「お知らせ」に掲載いたします。)

肺炎球菌ワクチン(65歳とハイリスク患者さんのみ補助あり)

肺炎は日本人の死因の第5位です。中でも肺炎による死亡者の95%以上は65歳以上の高齢者です。最も頻度が高いのは肺炎球菌による肺炎です。
この事実から、65歳になった方、および65歳未満でも心臓、呼吸器、腎臓などに重度の障害がある方(感染した際の重症化リスクの高い方)に対しては、1回限りの定期接種(自治体からの補助あり)が推奨されています。

ただし、この予防接種の効果は一生続くわけではなく、抗体価は年々低下してくるため、5年後には再接種が望ましいとされています。補助のある定期接種は65歳になった年のみですので、忘れずに打つようにしましょう。それを過ぎてしまうと費用は全額自己負担となります。

帯状疱疹ワクチン(任意接種)

最近テレビのCMでもよく見かけますが、50歳以降、帯状疱疹のリスクが上昇します。50歳以上の日本人はほぼ100%が水痘抗体を保有していますが、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。これは帯状疱疹の防御は抗体では難しく、細胞性免疫が重要であることを意味しています。

つまり、昔水疱瘡にかかったから帯状疱疹にならないというわけではない、ということです。帯状疱疹予防のためには帯状疱疹ワクチンが必要です。残念ながら補助がないため、全額自己負担となり、2回接種が必要なため、費用が高額になりますが、発症するといつまでも痛みが残ることもあるため、可能であれば接種されることをお勧めいたします。

HPVワクチン(現在12-16歳の女性、1997-2005年生まれの女性で未接種の女性は補助あり)

HPV(ヒトパピローマウィルス)による子宮頸がんを予防するためのワクチンです。17歳未満で接種することで、子宮頸がんになるリスクを88%減少させることができるといわれています。日本ではHPVワクチンの定期接種が一時差し控えられた時期があり、その間に未接種となった1997-2005年生まれの女性は、2025年3月末まで補助が出ることになっています。打ち忘れている方は、期限までに是非接種してください。

風疹ワクチン(1962-1979年生まれの男性は補助あり)

1962-1979年生まれの男性は風疹ワクチンが定期接種から外れていたため、未接種の方がほとんどです。妊娠前の女性や妊娠中の女性に接触する機会のある未接種の男性が感染することで、先天性風疹症候群という、生まれてくる赤ちゃんにとても重度の障害を残すことにつながります。結婚式の式場で、嫁いでいく娘から「風疹ワクチン打ってないお父さんとは腕を組みたくない!」と言われるお父さんの動画をご覧になった方は少なくないのではないでしょうか。家族のみならず、生まれてくる赤ちゃんのために、補助のあるうちに風疹ワクチンを打ちましょう。
補助が出るのは2025年3月末までです。

その他にも多数のワクチンをご用意しています。自分にどのワクチンが足りていないのか、ご相談下されば必要なワクチンをお伝えいたします。

また、海外渡航ワクチンも接種を行っております。英文での接種証明も発行できますので、お気軽にお問い合わせください。ただし、ワクチンには接種完遂に6か月以上かかるものもあるため、渡航までの期間が短いとお受けすることができません。渡航先が決まったらできるだけ早く、余裕をもってご相談ください。

当院にて接種可能なワクチン一覧(要予約)

A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風トキソイド、百日咳、ジフテリア、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、おたふくかぜワクチン、日本脳炎ワクチン、HPV、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチン、2種混合(破傷風+ジフテリア)、3種混合、インフルエンザ、新型コロナ、髄膜炎菌

ワクチン価格表

ワクチンの種類 消費税込み
麻疹 6,600円
風疹 6,600円
MR 9,900円
水痘 8,800円
ムンプス 7,150円
BCG 9,900円
インフルエンザ
(フルミスト点鼻)
未定
5種混合 22,000円
4種混合 9,900円
3種混合 4,950円
2種混合 4,950円
破傷風トキソイド 4,400円
ジフテリア 4,950円
不活化ポリオ 8,800円
肺炎球菌(23価)
ニューモバックス
9,900円
肺炎球菌(13価)
プレベナー
13,200円
肺炎球菌(15価)
バクニュバンス
13,200円
B型肝炎 7,150円
A型肝炎 8,250円
日本脳炎 7,150円
HPV(9価)
シルガード9
27,500円
HPV(4価)
ガーダシル
17,600円
髄膜炎菌 23100円
帯状疱疹
(シングリックス)
22,000円
RSV
(アレックスビー)
25,300円
狂犬病 9,900円
Hib 9,900円
インフルエンザ 未定